精神科にまつわることで、ふと気になった事例について書きたいと思います。
じゃあ、どうだったら良かったのか、自分の頭で考えてみました。
今回ご紹介する二例は一精神保健福祉士の立場から疑問に感じたことです。
一部における出来事で、組織としては合理的なことかもしれません。
ですが、私が気になったのは、ご本人の立場だったらどう感じるだろうか、と思った点です。
ふと気になった具体例と、自分なりの考えを個人の立場から述べたいと思います。
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ほぼインテークの問診票
精神科のインテークは内容が詳細です。
症状だけを聞くのではなく生育歴から学歴、家族構成や趣味・嗜好など広範囲に及びます。
まだ3年目なので狭い世界しか見ていないのは事実ですが、インテークは精神科医かPSWなどが対面で聞き取るもの、と思っていました。
実際に精神科医が聞き取りをする初診に同席したこともありました。
しかし一部でほぼインテークの問診票があることを最近知りました。
通常、精神科以外の問診票では内容は身体面に限られています。いま飲んでいるお薬や既往歴など。
しかし精神科の問診票で、親族の精神科受診歴やジェノグラム(家族構成の図)、信仰まで含まれているものを偶然目にする機会がありました。
例え対面でも、相手の様子から初対面で聞きづらいことは、話の流れで聞けそうだったら聞いていました。
主訴や隠れたニーズを明らかにするためにも、相手の話を傾聴することはとても大切です。
信仰のようなプライベートな部分も書面で聞き取り、ジェノグラムまで本人に描かせてみる!?
もちろん回答は任意でしょうが、病院に来ようとする体調の悪い人に、果たして書面で聞く内容なのかな、と思ってしまいました。
当然メリットもあるでしょうが個人的には効率が優先に思えてしまいます。
インテークは面接技術が必要な作業です。
PSWがいるところはPSWがインテークとるのでいいのではないでしょうか。
入院の条件は保護室

精神科で入院治療が必要な状態にあっても、すぐに入院先が見つかるケースばかりとは限りません。
ベッドが満床や、精神科以外の病気面のフォローが難しいなどの理由で受け入れ先がすぐに見つからない場合もあります。
中には受入れの条件を出してくる病院もあります。
それが本当に受入れ条件なのか、暗にお断りされているのかわからないことも実際はあるのですが。
私が疑問に感じたのが、受入れ条件に保護室入室が含まれていた事例でした。
保護室とは患者に自傷・他害の恐れがある場合に隔離の目的で使用される部屋です。
治療のためとはいえ外から鍵がかかる部屋なので、人権を侵害することがないよう必ず精神保健指定の指示が必要です。
たしかに事実として、入院当初保護室に入るケースはあると思いますが、それも診察した指定医の指示によってです。
自傷・他害の恐れがある状態かどうか判断するのは医師の判断で決まります。本人の診察をする前から保護室入室を条件に示されるのは疑問です。
万一受入れを打診してそのような条件を提示されたときには多少なりとも病院に不信感を抱いてしまいます。
指定医の診察前に保護室の言及は避けるべきだと思います。
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組織の利益とクライエントの利益

病院PSWをしていて、雇用主が病院である以上、病院の利益のために働く必要はありますが、PSWは患者さんご本人や家族支援も業務に含まれています。
また病院の利益とご本人の利益が常に一致するとは限りません。
間に立たされたPSWはさてどうしたらいいのか・・・正直困るところです。
個人的にはPSWはご本人・ご家族の代弁者であるべきだと思います。
雇用主がいる以上100%は難しいですが、信頼関係を築くためにそうあるべき努力はすべきではないでしょうか。
相談が持ち込まれた時点、勤務している病院の正式なお客さんになるかどうか微妙な段階でも、やはり相手側の利益を考慮した対応を心がけたいと思います。