【PSW資格】精神保健福祉士とは?

PSW勉強法

これまで精神保健福祉士(PSW)の学習法などを記事にしてきましたが、そもそも精神保健福祉士ってなに?という方のために、今回は資格についてご紹介したいと思います。

資格自体はまだあまり知られていないようですが、精神保健福祉士はメンタルヘルスの課題山積みの日本にとって、問題改善の役割を担う重要な職種の一つと考えています。

いうまでもありませんが、日本は諸外国に比べてメンタルヘルス対策が遅れています。

働き方改革が始まる何年も前から、ブラック企業の存在は明らかでしたし、日本の有休休暇取得率は最低レベルでした。

依存症対策にしても治療ができる医療機関は限られ、回復に重要な役割を果たすリハビリ施設でさえ、民間頼みで選択肢が少なすぎると思います。

抱えている問題が深刻なだけに、専門知識を持った精神保健福祉士の活躍の場が増えることを期待しています。

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精神保健福祉士とは?

その役割

精神保健福祉士(PSW : Psychiatric Social Worker) とは、地域の社会資源やサービスを活用して精神障害者が地域で生活していくことを支援する専門職です。

精神保健福祉士は専門的知識と技術をもって、精神障害を持つ方の社会生活や社会復帰に関する相談に応じるほか、日常生活に適応するために必要な訓練を行います。

そのため、PSWは社会制度や社会資源、サービスを熟知している必要があります。

知識は最低限必要ですが、それだけでは不十分です。

PSWは、精神障害をお持ちの方ご本人が、ご本人が望むその人らしい生活を送れるような支援をすることが求められます。

活躍が期待される領域は、医療、福祉、司法から教育など幅広く、その就労場所も分野により異なります。

活躍が期待される領域や就労場所については後ほどご紹介します。

いつからあるの?

1997年に精神保健福祉法によって制定され国家資格化されました。

国家試験は年に1度実施されています。

試験を受けるためには、あらかじめ指定の学校で必要科目を修めているなどの条件があります。

根拠法

「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」という1995年に成立した法律です。

登録者数

86,670人(令和元年7月末日現在)

公益財団法人 社会福祉振興・試験センターホームページより引用

領域と就労場所

先ほど述べたように活躍の領域は幅広く期待されています。

以下はそれぞれの領域とそれに関わる就労場所の例です。

 (医療) 精神科病院、精神科デイケア
 (司法) 保護観察所、刑務所
 (教育) 学校、放課後等デイサービス
(産業保健)企業
 (保健) 保健所、精神保健福祉センター
 (福祉) 福祉事務所、児童相談所、就労移行支援事業所

領域や場所でいうと上記のようになりますが、上記は一部の例で限定はされません。

あくまでどの分野に興味・関心があるか、あるいはどのような問題に取り組みたいかにより、活動の場は変わってきます。

ただし、精神保健福祉士の必置が義務付けられている機関はほとんどないようです。

精神科病院などの「退院後生活環境相談員」、精神保健福祉センターなどに配置される「精神保健福祉相談員」、地方裁判所の非常勤職員である「精神保健参与員」、保護観察所におかれる「社会復帰調整官」のいずれをとっても、精神保健福祉士の採用を前提とされているとは思いますが、精神保健福祉士でなければならないとはされていません。

いずれも精神保健福祉士の専門性が高い職種と思われます。

ではどうして、必置となっていないのかが疑問です。

国が必要と認めた国家資格でありながら、専門的な仕事が精神保健福祉士に限らないとされているのはじつに残念です。

とはいえ、やはり精神保健福祉士の資格がある者が望ましいと考える事業所はもちろんあります。

これまで以上に、精神保健福祉士の活躍の場が増えることを期待しています。

お読みいただきありがとうございました。