今回は精神科病院におけるインテーク面接の聞き取り例をご紹介します。
PSW業務は専門的な職種ですが、業務内容は病院により異なるようです。
ご紹介するのは私がいた病院で通用していたものですので、くれぐれもご了承ください。
じつは私が就職した病院に、病院経験が豊富なPSWはいませんでした。
入職時の先輩PSWの方たちは、みな病院経験が1年未満、外部研修などでスキルアップをはかっていました。
しかし、先輩のうち1人も私が入職してすぐに退職されてしまいました・・・。
ですので、残念ながら経験豊富なワーカーからスーパービジョンを受けるような機会はありませんでした。
採用面接のときは新人の育成環境は整っていると聞いていたため、「話がちがうなー」と思いましたがそこは仕方ありませんでした。
本来は、経験豊富なスーパーバイザーが経験の浅いスーパーバイジーに助言指導を与えるスーパービジョンが機能することが理想的だと思います。
しかし現実は、スタッフの入れ替わりなどで、必ずしも新人PSWがスーパービジョンを受けられる環境にないことは自身の経験からわかりました。
そんな、まだ経験は浅いけれど聞ける人が周りにいないという方がもしもいたら、聞き取り例としてご参考にしてください。
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インテーク面接とは?
インテーク面接について、精神保健福祉士養成のテキストでは下記のとおり説明されています。
受理面接は、インテーク面接といわれ、相談援助課程の第一段階に位置付けられている。相談者は「クライエント」として、精神保健福祉士と相談援助課程を展開することを契約する。
出典:新・精神保健福祉士養成講座4精神保健福祉の理論と相談援助の展開Ⅰ 中央法規出版
インテークではクライエントに関する客観的な情報を聞き取ります。
引用の文末に「契約する」とありますが、相談援助を利用するかどうかを確認して、クライエントの同意を得られた場合に契約に至ります。
原則としてクライエントご本人から聞き取りをしますが、病状の都合でご本人から直接お話を聞くのが難しい場合は、ご本人をよく知るご家族などから聞き取りをする場合もあります。
インテークで聞き取る内容例
内部資料でも何でもないのでご安心(?)ください。
インテーク用紙作成のために自分用に作成しました。
連絡先、保険、障害者手帳の有無、障害年金の受給の有無などの基本情報以外の部分にあたります。
既往歴
- 病名
- 感染症の有無
- 禁忌
- 大きなケガ、病気
- 入院歴
家族歴
- 家族構成
- 家族の精神科受診歴
生活歴
- 出生地
- 両親の職業
- 兄弟姉妹
- 最終学歴
- 職歴
- 婚姻歴、離婚歴、子どもの数
- 飲酒歴、喫煙歴
- アレルギー
- 利用しているサービス
- 病前性格
- 趣味
- 信仰
現病歴
- 何に困っているのか
- 現在の症状が始まった時期
- 相談機関
- 治療内容とその結果
その他
- 今後の希望 など
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聞き取りの際に注意していたこと
情報収集のための、ただの聞き取りにならないよう心がけていました。
ご本人の症状だったり、家族関係であったり、場合によってはお家の経済状況であったり、普段はわざわざ人に話さないようなことを話してもらうわけですから、プライバシーに十分配慮するよう気を付けていました。
また、これまで内情を話せる人や相談できる人がいなかったときなど、クライエント側のお話が長くなることもあります。
特に最初のうちは、相手の方がお話ししている間、質問を切り出すタイミングがつかめず全体的に時間がかかってしまうことがありました。
しかし面接技術はスキルが必要なため、初めから時間配分までうまくできるはずはありません。
「傾聴」の姿勢で相手の方のお話を聞くことを心がけました。
インテークの目的を理解してもらおう

私がインテークを取っていたときに、ご高齢の患者さまのご家族から
「他の病院でこのようなことを聞かれたことはなかった」
と言われたことが何回かありました。
他の病院と言うのは一般病院のことを指しています。
聞かれるほうにしてみれば、一見病気と関係ないようなことまで根掘り葉掘り聞かれているような気分になってもおかしくありません。
精神科ではご本人のバックグラウンドを理解するために、またできる限りご本人の希望に沿った支援の方向性を決めるために聞き取りをします。
そのことをきちんとご理解いただいた上でお話を始めると比較的スムーズでした。
具体的には事前にお電話で、来院の際に詳しいお話を聞かせていただくこと、お時間をいただくことの2点をお伝えしていました。
先ほどご紹介した内容例はあくまでも参考例です。
自分が入職したときに知りたかったことをご紹介しました。
指導してくださる方がいれば、ぜひ面接技術のスキルも磨いていってくださいね。