インテークに引き続き、今回はジェノグラムのかんたんな描き方をご紹介します。
前回の記事はこちらからどうぞ。
ジェノグラムは精神保健福祉士や社会福祉士を目指している方なら聞いたことがあると思います。
エコマップとセットで出てくることが多いですね。
ではジェノグラムを描いたことはありますか・・・??
私は、PSWとして病院に採用後すぐに、先輩PSWから先ほどの質問をされました。
実際はもっと明るく、
「ジェノグラム描いたことありますか~?てか、描けるよね!?大丈夫、大丈夫!」
みたいなライトな感じでした。
しかし私はジェノグラムを描いたことありませんでした。
ただの一度も・・・。
入職後はインテーク同様、すぐに実践で使えるようになる必要がありました。
もちろん職場によると思います。
ジェノグラム、エコマップがどのようなものか知識として頭に入っているのと、実際に面談や電話で聞き取りをしながら描くのとでは大違いです。
ジェノグラムは知ってるけどまだ描いたことはない、という方のために基本中の基本、簡単な描き方をご紹介します。
病院で実際に使っていた描き方は、精神保健福祉士養成のテキストの内容と若干異なる表現もありました。
今回ご紹介するのは病院関係で通用していた形式ですのでご了承ください。
スポンサーリンク
ジェノグラムとは
インテークやアセスメント(課題分析)などの際に作成し、家族構成を図に表して視覚化するものがジェノグラムです。
病院PSWをしていたときは、ご本人やご本人のご家族、医療機関や関係機関などから電話による受診相談を受けることも度々ありました。
その際は、同居のご家族やキーパーソンとなる人物などを聞き取り、電話口でジェノグラムを書き留めていました。
あるいは関係機関から、クライエントに関するジェノグラムを含む情報提供があった際は、図を見て理解できることが必要になります。
ジェノグラムの書き方
人物の表記について

性別
男性は四角形、女性は丸で示します。
本人
ご本人は、二重の四角形や丸で表します。
死亡者
病院では該当の人物を塗りつぶして表していました。
ただし、精神保健福祉士養成テキスト上では、図の内部に×印をつけたものが死亡者とされています。
関係機関や業界により、用いられ方が異なるようです。
関係性の表し方
人物と区別するために赤い線で示しています。

婚姻関係
夫と妻を線でつないで表します。
離婚
婚姻関係に斜めに二重線を入れて表します。
離婚歴が複数回ある場合は、離婚の順序がわかるようにしておきます。
兄弟姉妹
図のように線でつなぎます。
左から右に、年長者の順に記載します。図は長男、次男、長女の例です。
スポンサーリンク
補足は書き込み:キーパーソン、住まいなど
聞き取った内容で、補足するべき内容は図に書き込みます。
同居のご家族は、メンバーをぐるっと丸で囲んで表しました。
また、ご本人のお住まい(例:○○市在住)とキーパーソンとなる方、キーパーソンのお住まいは確認して図に追記していました。
キーパーソンは省略して「KP」と書かれることもあります。
他にも、入院中や施設入所中、生活保護に関する情報(○○市で生保受給中)など追記すべき情報があれば図に書き込みます。
クライエントを取り巻く環境を図に表し、視覚化することは、クライエントのニーズ明確化のために大切な作業です。
慣れてきたら、電話口でお話を聞きながらノートに描けるようになりますよ。
特に医療保護入院においては、家族等の同意者の範囲が、精神保健福祉法により定められているため十分に留意する必要があります。
ジェノグラムの基本をご紹介しました。
お読みいただきありがとうございました。