障害者就労支援のサービス淘汰について【考察】

社会

障害者就労支援について思っていることを書きたいと思います。

先に結論を申し上げると、障害者就労支援のサービスは、利用者にとって真に有益で良質なサービスが残るべきだと考えています。

これまでの経験から障害者就労支援のあり方について考えました。

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記事テーマのきっかけ

障害者就労支援を今回のテーマにしたきっかけ

2019年8月28日付け日本経済新聞朝刊の「私見卓見」というコーナーにNPO法人AlonAlon理事長の那部智史さんという方の寄稿が掲載されました。

じつはその記事に大変共感し、素晴らしい取り組みであると思ったため、障害者就労支援について再考したいと思いました。

「重度障害者の就労手助けを」という見出しのその記事では、自分の施設実習やこれまでの経験で、一度は感じたことが大変わかりやすくまとまって言語化されていました。

実際にAlonAlonは、就労継続支援B型事業所の運営をされていて、コチョウランの栽培と販売を通して利用者の方に工賃を支払っています。

具体的な数字や具体例を示しながらの大変説得力がある内容の記事でした。

一部を紹介させていただきます。

就労継続支援B型事業所(就B)という福祉施設がある。主に企業に就職することが難しいとされた障害者が働く作業所だ。ここで働く障害者には工賃が払われるものの、最低賃金は守られず、月額1万5千円(全国平均)にとどまる。障害者年金と合算しても生活保護の受給額にとどかない。就Bの運営を改善し、障害者が経済的自立を果たすように後押しすること。それを就B事業者の目標とすべきではないだろうか。

2019年8月28日 日本経済新聞朝刊より引用

就B実習で体感したソーシャルワーク実践

精神保健福祉士の現場実習では、就労継続支援B型事業所と精神科病院にそれぞれ14日間ずつ行きました。

ほんの短い期間でしたが有意義な経験で、印象に残った出来事がたくさんありました。

実習先は精神科に通院中の方をおもに受け入れている事業所でした。

活動時間中はすべての場面において、利用者の自己決定が尊重されている点に実習初日から気が付きました。

それまでの自分は、どこかスタッフが利用者の方を先導しまとめるようなイメージを持っていたのだと思います。

現場では朝のミーティングで外出の行き先プラン、参加の有無、各々がその日に取り組む作業まで、全て利用者の方が中心となって決めて一日が始まりました。

PSWは完全なサポート役でした。

ときに利用者の方の相談に乗ったり必要な支援は行いますが、まずは本人のやる気を押し上げる、本人の夢や希望などを具体化する手助けをするなどのソーシャルワーク実践を目の当たりにしました。

利用者の方と話をすると、「1人暮らしがしたい」「仕事に就きたい」と具体的な夢や目標を言葉にする方がいたのも非常に印象的でした。

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利用者本位のサービスとは

しかし一方で、支援費不正請求や就労継続支援A型事業所一斉解雇などの事件報道を通して、障害者就労支援のサービスの質はバラバラ、利用者の囲い込みの実態などについて知るようになりました。

当然のことですが、就労支援は利用者中心に支援が行われるべきです。

支援費不正請求や囲い込みは利用者本位からはかけ離れていてただの制度の悪用です。

さらに就労支援の場は意欲のある利用者にとっては通過点であるべきです。

中途半端な知識や雇用者の都合で、働く意欲のある利用者にそこが居場所と思い込ませとどまらせるようなことはあってはなりません。

先の記事で最も力強さが伝わってきた部分になります。

たとえ重度の知的障害者であっても、経済的な自立は可能である。私たちの団体ではコチョウランを栽培し、慶弔花として企業に販売することで障害者に最高10万円の工賃を支給している。今年新たにふたりが企業への就職を決めた。これからも「コチョウランの栽培を通して新たな労働力を創る」ことを目標にしていきたい。

2019年8月28日 日本経済新聞朝刊より引用

10万円という支給実績を出されているだけに大変説得力があります。

一方で、一部の事業所が質の低いサービスを提供しているのは関わった利用者にとって大変不利益なことです。

就労支援は1人1人の人生に深く関わる仕事です。

利用者が希望を持てるような、良質なサービスを提供できる事業所が生き残るべきだと思います。

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