【国家試験注目トピック】合格者の試験予想まとめ

PSW勉強法

精神保健福祉士国家試験受験予定の方向けに、専門科目の重要項目をお伝えしてまいりました。

番外編として注目トピックをご紹介します。

国家試験では毎年、近年発生した事件や制度改正に伴う話題に関する問題が出題されます。

筆者の視点から近年の事件と精神保健福祉に関する話題で、気になったものをまとめました。

なお、これまでの専門科目で挙げた重要事項とは重複しないようにピックアップしています。

ご参考になれば幸いです。

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注目トピック試験予想まとめ

以下の10項目をピックアップしました。

重要と思われるポイントや確認箇所などをお伝えしてまいります。

  • 障害者雇用促進法
  • 障害者差別解消法
  • 認知症施策
  • 成年後見制度
  • 災害関連
  • H26改正点
  • いじめ・子どものうつ病
  • 我が事・丸ごと
  • 発達障害
  • 依存症

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法では、事業主に対して障害者の雇用を義務付けています。

平成30年から精神障害者が雇用率に含まれるようになりました。

(法定雇用率)
民間企業 2.2%
国・地方公共団体 2.5%

障害者差別解消法

次の2点は障害者雇用に関連して大変重要な項目です。

合理的配慮の提供義務の具体例についてもテキストなどで確認しておきましょう。

障害者に対する差別の禁止

 雇用の分野における差別的取扱いを禁止すること。

合理的配慮の提供義務

 事業主に、障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置を講ずることを義務付ける。

ただし、当該措置が事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなる場合を除く。

認知症施策

認知症施策推進大綱により、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指すべき社会とされました。

以下は令和元年の認知症施策推進大綱の基本的考え方です。

認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し認知症の人や家族の視点を重視しながら「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
・「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味である。

認知症施策推進大綱より引用

成年後見制度

成年後見制度は大きく分けて、法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。

法定後見制度は「後見」「補佐」「補助」の3つがあり、被後見人ご本人の判断能力の程度により制度を利用できる仕組みになっています。

災害関連

近年台風被害などの自然災害が毎年のように発生しています。災害に関連する用語も復習しておくといいかもしれません。

ストレス・災害時こころの情報支援センター

東日本大震災後に国立精神・神経医療研究センターに「災害時こころの情報支援センター」として設置されました。

平成30年より現在の名称に変更されました。

DPAT

DPATとは自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの集団災害の後、被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行う専門的なチームです。

デブリーフィング

トラウマとなるような出来事を体験したケースの急性期介入で、ストレス反応の悪化とPTSDの予防が主張されていましたが、現在はPTSDの予防効果は否定されています。

デブリーフィングは元来軍隊用語で「状況報告、事実確認」を意味し、前線から帰還した兵に任務や戦況を質問し、報告させることを指していました。

サイコロジカル・ファーストエイド

災害や大事故などの直後に提供する心理的支援です。

被災者に負担をかけない共感的な態度によって、人と人との関係を結びます。

サイコロジカル・ファーストエイドでは、支援者ができることとできないことを明らかにし、必要がある際は被災者を他の支援チーム、地域の支援システム、精神保健福祉サービス、公的機関などに紹介します。

H26改正点

すでに改正後年数が経っていますが、重要事項であることに変わりはありません。

(改正のポイント)
・保護者制度の廃止
・退院後生活環境相談員の設置
・精神医療審査会の委員「精神障害の保健または福祉に関し学識経験を有する者」を規定

いじめ・子どものうつ病

学校現場における精神保健の問題は大きな課題です。

いじめの定義や実態について理解を深めておきましょう。

いじめによる影響は大人になっても心的外傷として残ることが少なくありません。

また、子どものうつ病は、抑うつ気分がうまく言語化できないために身体症状に表れやすいと考えられています。

我が事・丸ごと

「地域共生社会」実現のための方針です。

精神保健福祉士課程養成の見直し概要でも言及されています。

じつは私が受験したときも、テキストには当時まだ載っていませんでしたが、専門学校の先生が「出るかも」と紹介されたトピックのうちの一つでした。

日本の社会福祉制度は高齢者・児童・障害者で制度が分かれており、いわゆる縦割りで運用されています。

我が事・丸ごととは、縦割り行政や支え手・受け手という関係を超えて、地域住民などが「我が事」として参画し、人や資源などが世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、地域共生社会の実現を目指すものです。

発達障害

発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、その他これに類する脳機能の障害です。

それぞれの障害の特性を理解しておきましょう。

依存症

2019年にゲーム障害がWHOによって国際疾病として認定されました。

薬物依存、アルコール問題も同じく重要ですので過去に問われた内容を見ておくといいと思います。

受験生の方へ

受験生の方へ

ここまでお読みいただきありがとうございました。

今回で一連の試験関連記事はいったん終了です。

試験前は本当に範囲が広く感じられて、私はいくら勉強してもし足りない気がして不安でした。

試験を前にしたお一人お一人がきっとそのようなお気持ちだと思います。

くり返しになりますが、試験に出るポイントは限られます。

制度や法律、歴史などすでに決まっているものは比較的出題しやすく、試行錯誤の段階にあるものや議論が続いている事柄は出題されにくいと考えられます。

くり返し問題を解き、自分が弱いところを明らかにし、地道に記憶に定着させるのが合格の近道になると私自身は考えています。

ぜひ合格目指してがんばってください!!