アルコール広告の強制視認性

社会

精神保健福祉士になる以前から、アルコール広告について微かな違和感がありました。

私がそれまで感じていた違和感はおもにテレビCMでしたが、ある団体の、アルコールの交通広告に関する記事を目にしてから自分の中で問題意識が高まりました。

記事を読んでからはアルコール広告がやたらと目に付くようになり、普通に生活しているだけでこんなに広告に触れているのかと実際驚きました。

精神保健福祉士として、アルコール広告の強制視認について考えました。

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交通広告の自粛を求める要望書について

話は戻りますが、ある団体というのは、特定非営利活動法人ASK(アスク)という法人で、アルコールや依存性薬物などの問題を予防に取り組んでおられます。

私が拝見したのはこちらの記事です。

交通広告の全面自粛を含む抜本的な対策を求める要望書を提出しました。

内容としてはビール酒造組合に対して提出された「交通広告の全面自粛を含む抜本的な対策を求める要望書」になります。

要望書の中で、酒類の交通広告は意図せず目に飛び込む「強制視認性」が強いとして指摘されていました。

駅・電車などは極めて公共性が強い場であり、利用者には20 歳未満やドクターストップで禁酒・断酒中の人や飲めない体質の人もいて、健康問題・社会問題を引き起こす側面をもち年齢規制もある酒類に交通広告はふさわしくないというのが大まかな主張です。

「強制視認性」という聞きなれない言葉が出てきましたが、意図せず目に飛び込むということで納得しました。

私がこれまでアルコール広告で問題と感じていたのは、アルコール依存症の方たちの視点があまり考慮されているようには思えない点でした。

アルコール依存症は完治しない病気です。

アルコール依存症は精神的・身体的にもダメージは大きく、治療に結びつかなければ将来的に取り返しのつかない事態にもなり得ます。

治療を続けている方にとって強制視認は悪影響でしかありません。

しかし、悪い影響を受けるのは決してアルコール依存症の方たちだけではないと、記事を読んだことで改めて認識しました。

依存症予備軍の方たちにとっても飲酒を助長しかねません。

アルコール広告に規制は必要?

このような広告が許されるお国柄として、日本がお酒に寛容な面があることは否めないと思います。

というのも、日本は公共の場での飲酒が禁止されていません。

日本でもビーチや公園など、一部で飲酒禁止のルールをもうけているところはあります。

一方、アメリカなど公共の場で飲酒が禁止されている国が多いのも事実です。当然ハワイのビーチでも飲酒は禁止されています。

どうも日本はアルコール=薬物という意識がかなり低いようです。

お酒にいろんな楽しみ方があっていいと思いますが、強制視認の広告は見直されるべきだと思います。

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意図せず目に入るアルコール広告

意図せず目に入るアルコール広告

実際に私が見て「えっ!」と思ったお酒の広告をご紹介します。

テレビCM

特に珍しいものではありませんが、驚いたのは番組CMの大半がアルコールだったことがありました。

時間帯のせいもあったかもしれません。

地下改札に降りる階段の壁

地下階段の途中で止まることはありませんから、一瞬目に入るか入らないかくらいですが、真正面に見える位置ではありました。

ちなみに起用タレントはローラちゃん。人気が高いだけにその影響力も大きいのでは。

ホーム

先ほどと同じ駅のホームです。ホームの向かい側にドーンドーンドーンと巨大広告が並んでいるのですが、そのうちの一つです。

ビール広告ですが銘柄は季節ごとに変わっています。

車内からホームから時間帯関係なく目に入ります。

Facebook広告

さすがにこれはひきました。ストロング系っぽかったです。

個人の趣味・嗜好に合わせて表示される仕組みだと思いますが、私はストロング系を危険視しています。

実際に消費者の健康に配慮して、ストロング系チューハイの生産を終了し撤退した会社(オリオンビール)もあります。

Facebookは無料のサービスなので広告表示されるのは十も承知ですが、携帯画面のようなパーソナルなスペースに突如表示されるのは正直不快感を覚えます。

なんて、わざわざ挙げてみましたが、別にみんな意識して広告を見ているわけではありません。

ただ「おっ?」と興味をひくものがあれば記憶に残ります。

何度も目にしたり表示されたりすれば親近感だってわくかもです。

ですが、そんなふうに無意識への働きかけは、ことアルコールにおいてはやっぱり適切ではないと思います。