PSWスキルアップ・基礎固めに役立つ本「こころの医学入門」

BOOKS

「こころの医学入門 医療・保健・福祉・心理専門職をめざす人のために」という本をご紹介します。

この本は元々、心理、福祉、看護、リハビリテーション、教育などの学部生や大学院生のために書かれたものです。

講義形式のテキストとして23項目の基礎編と8項目の応用編から成り立っています。

じつは以前ご紹介したアセスメント技術の本の著者の先生がこの本の編集もされています。

アセスメント技術の本に触発されこの本を手に取りました。

すでに現場で働いている人たちにとっても、スキルアップや基礎固めに十分役立つ1冊だと思います。おすすめの理由をご紹介していきます。

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幅広いトピックスが1冊に凝縮

この本では、こころの医学は学際的で多軸的とされていて複数の軸に沿って読むことができます。

以下はこの本で示されたこころの医学を理解するにあたっての軸になります。

1.「診断」と「治療」の軸
2.「脳」-「こころ」-「行動」の軸
3.「個体」と「環境」の軸
4.「心理」と「精神病理」の軸
5.「発達」と「発症」の軸
6.「治療」と「予防」の軸
7.「多領域チーム・アプローチ」の軸

基礎編では、統合失調症や双極性障害、発達障害、パーソナリティ障害、依存症など個別の疾患のほか、チーム医療や司法領域、精神科医療の関連法規の章などから成り立っています。

多軸的というだけあり、なんといってもトピックスが幅広い!!

これだけ広範囲の話題が1冊にまとまっているのは本当にありがたいことです。

またそれぞれの章も臨床の第一線で活躍されている先生方によるもので、例えば講義05「アディクション(依存症)」、講義09「トラウマのこころの臨床」などは依存症関連の著書を数多く出版されている松本俊彦先生によるものです。

現場で役立つスキル&知識

一応は学生向けに書かれたものとはいえ、新たな発見や知識の定着など役立つ点が多くありました。

精神保健福祉士の試験のために頭に入れた知識も、使わなければ当然記憶は薄れていきます。

また試験対策で覚えた知識というのは、表面的に覚えていたことが多かったように思います。

その点本書は、大事なポイントが背景も含めガッチリ押さえられていて表や図を用いた解説で視覚的にも理解がしやすいのが特長です。

特定の障害の方への関わり方の注意すべき点なども明示されており、現場にいる方にとっても有効ではないかと思います。

また、各講義の章末には「さらに学習したい方への読書ガイド」として関連書籍がいくつか指南されているため自分で探す手間が省けます。

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ユニークな例えや事例でわかりやすい

例えば転換性障害のイメージでは『アルプスの少女ハイジ』に登場する車いすの少女クララが、解離性障害のイメージでは小説ジキルとハイドの例えが出てきます。

ジキルとハイドが二重人格であるとか、クララがいきなり車いすから立ち上がるとか物語として知っていたものの、精神障害と結び付けて考えたことはなかったため

「え、そうだったの??言われてみればそうかもね・・」

と不意を突かれた感じでした。

ちなみに全く別の章では睡眠時遊行症の様子として再びハイジの例が出てきます。

また読者が病気の経過や病気についてイメージしやすいように、事例を使った説明もいくつかありました。

例え普段現場で使わない知識であっても、精神保健福祉士として最低限知っておきたい臨床知識がたくさんカバーされています。

スキルアップや知識の定着としての基礎固めに役立つ点がおすすめの理由です。